よろしいでしょうか。
どんなにたくさんの知識を得ても、そのほとんどは使われません。そして、年をとれば忘れてしまいます。
どんなにいい会社に就職して地位を上げても、やがてはその会社を出て行きます。そして、誰かが自分に取って代わることになります。
どんなに多くのお金を得ても、あの世までは持って行くことはできません。もし、死ぬまでに全部使ったら、それでおしまいです。買ったものが残ったとしても、やがてはなくなります。
どんなにいい学校に入ったとしても、ただそれだけです。やがては出て行きます。
どんなに“いい人”に他人から見られたとしても、それが装った偽りの自分ならば、他人と心を通じた交流ができることはありません。表面的な薄っぺらな人間関係では、たくさんの知人がいたとしても、結局、自分自身は孤独なままです。
そんな外面的なことで自分自身を飾っても、それは、子供が鎧を着て虚勢を張っているようなものです。かえって鎧の重さに押しつぶされてしまいそうです。