よろしいでしょうか。

 どんなにたくさんの知識を得ても、そのほとんどは使われません。そして、年をとれば忘れてしまいます。

 どんなにいい会社に就職して地位を上げても、やがてはその会社を出て行きます。そして、誰かが自分に取って代わることになります。

 どんなに多くのお金を得ても、あの世までは持って行くことはできません。もし、死ぬまでに全部使ったら、それでおしまいです。買ったものが残ったとしても、やがてはなくなります。

 どんなにいい学校に入ったとしても、ただそれだけです。やがては出て行きます。

 どんなに“いい人”に他人から見られたとしても、それが装った偽りの自分ならば、他人と心を通じた交流ができることはありません。表面的な薄っぺらな人間関係では、たくさんの知人がいたとしても、結局、自分自身は孤独なままです。

 そんな外面的なことで自分自身を飾っても、それは、子供が鎧を着て虚勢を張っているようなものです。かえって鎧の重さに押しつぶされてしまいそうです。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]