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2000/12/12
私は、2年半位前から、湘南のある気功教室に通っています。その教室の代表をしている先生は、20年以上も前、「気功」という言葉が一般には全然知られていなかった頃から、自ら中国へ渡って気功を勉強し、その後、そして今もなお、「気」の道を追い求め続けている女性です。
その先生がある時、「私は『湘南発、宇宙へ』という思いで気功をやっているのよ。」と話してくれました。
『湘南発、宇宙へ』
この言葉に妙に惹きつけられた私は、次のような文章を作りました。
― 我々は何処より来たりて、何処へ行くか? ―
この永遠の命題にしばし思いを馳せてみましょう。
150億年前、一つの火の玉だった宇宙は、ビッグバンと呼ばれる大爆発を起こしました。急速に広がり、冷えるにつれ、物質ができ、星ができ、現在の宇宙が出来上がっていきました。その中で地球も、宇宙の塵が集まって46億年前に誕生しました。
地球上には植物が茂り、草食動物が植物を食べ、肉食動物は草食動物を食べ、それらの動植物は、死んで微生物に分解され、土に帰ります。そして、土からはまた植物が育ち、動物たちに「いのち」を与えていきます。すべての生物が太古の昔から繰り返している「生」と「死」というプロセス、それは「いのち」の循環です。この「いのちの循環」の中、『我々は土から生まれ、土に帰る』のです。
「土」つまり「地球」も、やがては星としての一生を終え、塵となって宇宙に帰る日が来ます。とすれば、悠久ともいえる時間の流れの中で、『我々は宇宙から来たりて、宇宙へ帰る』のです。
― 我々は宇宙から来たりて、宇宙へ帰る ―
ここで、我々が、今ここに生きていることに目を向けてみましょう。
目を閉じて、心のスクリーンの中で自分の意識を体からゆっくりと離し、頭上から自分を眺めてみましょう。そして、自分の意識をどんどん上へ上へと上昇させていくとき、眼下に見える自分は、やがて小さな点となり、ついには見えなくなってしまいます。そして、そこには、広い大地が広がっていき、やがて、青々と輝く美しい地球が見えてくるでしょう。
さらに意識を地球からも離していくと、今度は地球がどんどん小さくなっていき、宇宙の数多の星々の中に溶け込んでしまいます。
と、その時、あなたは気づくことでしょう、今この瞬間にも、自分は宇宙の中にいることを。
そうなのです。
― 我々は宇宙から来たりて、宇宙へ帰る ―
いいえ、我々はいつも宇宙の中にいます。
― 我々は何処より来たりて、何処へ行くか? ―
いいえ、我々は何処より来たのでもなく、何処へも行きません。
いつもここにいます。
「ここ」とは、『宇宙』です。
『宇宙』とは『すべて』です。『いのち』そのものです。
『湘南発、宇宙へ』
それは、気づこうとしさえすれば、いつでもどこでも、自分はいつも宇宙と一体であることを思い出すことができるというメッセージです。
宇宙と一体であることを思い出すとき、あなたの『いのち』はさらに輝きを増すでしょう。それは誰にでも、すぐにできるのです。
さあ、今この瞬間から始めましょう。
『私発、宇宙へ』
平成12年12月12日
Dr.0910