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2000/12/31

10.今を生きる

 皆さん、こんにちは。『Dr.0910』です。

 ついに、大晦日がやって来ましたね。今日は、今年最後の日であり、また、今世紀最後の日でもあるわけですから、『大大晦日』ですね。今年一年を振り返るとともに、今世紀私たち人類がしてきたことも振り返ってみてはどうでしょうか。

 そのとき大事なことは、現代の価値観で過去を評価したり批評したりしないことです。今の自分は、過去の人々より偉いわけではありません。私たちは『今』を生きているのですから、過去の人たちも「そのとき」の『今』を生きていたのです。「そのとき」の『今』は、私たちの及び知るところのものではありません。「そのとき」の『今』を生きた人だけのものです。だから、本来、私たちが過去の人たちを評価・批評することはできないのです。

 同様に、『今』を生きる私たちの『今』は、自分だけのものです。つまり、自分の過去も他人の過去も、過去を振り返るときにあるのは、「過去はどうだったか」ではなく、『今、過去を振り返っている自分はどうか。過去を振り返ることによって、自分は、そこに何を感じ、そこから何を得、そしてこれから何をするのか。』という、真にリアルな自分自身の『今』があるだけなのです。

 20世紀は、「戦争の世紀」と言われています。数多の人々を犠牲にした戦争を繰り返してきた人類は愚かであったと言われます。でもそれは、戦争を繰り返してきた人類の過去を愚かであったと『感じている』のであって、本当に過去の人類が愚かであったかどうかを決めることなど、『今』を生きる私たちにはできません。大事なのは、人類の過去を愚かであったと決め付けて、あたかも現在の自分は過去の人たちよりも優れているのだと言っているかの如く、一人よがりの優越感に浸って満足することではなく、過去の戦争は愚かだと『今』感じていることによって、これから『自分』はどうするのか、『どう生きるのか』です。

 悲惨だとか愚かだと思える過去も、避けることなく振り返り、『今』を生きる自分の糧としていくとき、新世紀には、明るい未来が訪れる、そんな気がします。

 新世紀も、今を生きる皆さんの、幸多からんことをお祈りしています。

平成12年12月31日

Dr.0910

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