卵巣内では卵細胞は顆粒膜細胞に囲まれて卵胞を形成しています。月経とともに卵胞の成熟が始まり、卵胞内には顆粒膜細胞が分泌する卵胞液が貯留しどんどん大きくなっていきます。やがて卵巣表面に突出した卵胞の一部が破れて、中の卵細胞が周囲の顆粒膜細胞と卵胞液と一緒に腹腔へと放出されます。これが「排卵」です。排卵は卵子にとっては、単独で大海に投げ出されるようなものなのですが、この時、そんな迷える卵子をまるで手のひらですくい上げるかのように、卵管采と言うラッパ状に広がった卵管の入り口がゆらりと近づいて来て、その中に卵子はスーッと吸い込まれて行きます。(不思議ですね。)そして、卵管内壁の繊毛運動によって、先へと運ばれ、途中の卵管膨大部という太くなっている部分に到達し、ここで精子と出会い「受精」が起こります。

受精後の初期発生

 受精卵は、活発に細胞分裂を繰り返しながら、繊毛運動によってさらに先へと運ばれ、約3日後、細胞数が16個位の桑実胚になった頃に子宮に到達します。その後2,3日は子宮の分泌液の中を浮遊しているのですが、その間に、細胞の塊の中に液体で満たされた空間ができ、さらに細胞の塊が一方に偏った胚盤胞と言う状態になります。【図1-1】

着床

 胚盤胞はやがて細胞の塊の方を子宮壁に向けて付着します。付着部からは将来胎盤になる栄養膜細胞が増殖し、子宮壁を侵食して埋没していきます。この過程が「着床」です。この間も胚盤胞は変化を遂げ、その中に細胞が平板状に2層並んだ「胚盤」を形成します。実は、この胚盤こそは、将来私たちの体になる部分なのです。【図1-2】

胚盤胞の成長

 胚盤胞は日一日と大きくなり内部の構造もどんどん変化して行きます。【図1-3】

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