自分とは、今ある『体』が自分なのでしょうか?
第一章でお話ししたように、体は60兆個もの細胞から成っています。
では、その細胞は、自分が生まれてから死ぬまでずっと一緒なのでしょうか?
いいえ、大方の細胞は、短いサイクルで常に更新されています。自分の体はこの体一つと思っても、その体が実は、今のこの瞬間も、古い細胞と新しい細胞とが入れ替わっています。それは、体をレンガ造りの家に例えると、毎日少しずつ新しいレンガに交換しているようなものです。この家は常に新築の状態と言えます。けれども完成していると言えるのでしょうか?
確固たる不変の自分は何処かにあるのでしょうか?