もう少し脳について考えて見ましょう。

 では、なぜ脳は他人と区別して考える『自分』という存在を作り出したのでしょうか?

 「『自分』は脳が作り出した存在」という仮説では、「まず脳ありき」ですから、それも後天的にインプットされたのだとも考えられます。つまり、自分は自分なのだという認識を後天的に外から与えられた為に「自分」を作り出したと。

 もう一つ考えられるのは、生まれたばかりの脳にすでに『自分』という存在を作り出す機能が備わっていた、つまり、先天的な脳の性質として『自分』という存在を作り出すようになっているということです。

 前者の影響を否定することは出来ないと思います。これは、心理学的な自我の形成に非常に関係のある要素です。しかし、これが『自分』という存在の由来というのには無理があります。なぜなら、大昔最初に現れた人間、あるいは人類の祖先に、誰かが『自分』という認識をインプットしなければならないからです。一体誰がインプットしたというのでしょうか?しかも、数十万年あるいは数百万年にも及ぶ程の強い影響力を持って。宇宙人でしょうか?神様でしょうか?そんな話になってしまいます。そのような話を無碍に否定するわけではありませんが、いずれにしても、自分という存在に対する曖昧さを払拭することはできません。

 では、後者でしょうか?

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