さて、最後に『表出』とはどのようなプロセスなのでしょうか?
『表出』とは、思考過程で出した結論(情報)を出力する過程です。人間が情報を出力する手段は「言語」と「行動」であり、それらはすべて、特異的な筋肉を動かすことによって為されています。言葉を発するときには、喉・口・顔などの筋肉を動かし、何らかの行動をとる時には、手・足・体の筋肉を動かすことにより成り立っています。つまり、『表出』過程とは、「思考」過程で出された結論(情報)を「言語」や「行動」によって表現する為の身体各部位の筋肉の動きをプログラミングして出力する過程だと言えます。
例えば、誰かからプレゼントをもらって「ありがとう」という感謝の気持ちを表現する時には、「ありがとう」と言葉を発するよう喉・口の筋肉を動かすように、また、体を前屈してお辞儀をするように、そして、にこにこしてうれしそうな顔になるよう顔の筋肉(表情筋)を動かすようにプログラミングして出力するわけです。また、「2×3=」という算数の問題に対しては、「6」という答えを答案用紙に書くべく手を動かすようにプログラミングして出力するわけです。