2003/7/28 uploaded

 さて、第三章前編では、現代の心理学、特に、神経心理学における、脳機能から見た『心(精神機能)』について探ってきました。その内容をここでもう一度簡単におさらいしておきましょう。

 人間の精神機能には『知・情・意』の三要素があり、『知』とは知能・認知機能のこと、『情』とは感情・情動のこと、『意』とは意志のことでした。これら三要素の相互関係から人間の精神作用が生じると考えられており、『情』の働きにより動機付けられた行動は、『知』の働きにより計画され、最後に、『意』の働きにより実行に移されるというような流れになっていると考えられています。このパターンはいわばエッセンスであり、人間の行動はこのようなパターンの連続であり、大なり小なりそのようなパターンが組み合わさって複雑な人間の精神を形成しているのだと言うことです。そして、まだ十分に解明されてはいませんが、『知』『情』『意』の三つの働きは、各々人間の脳の特異的な部位が司っているのだろうと考えられています。

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