『心』のすべてを脳に還元してしまう、現代心理学のこのような考え、皆さんはどのように受け止められたでしょうか?自分の考えを率直に言わせていただきますと、私は、このような考えは窮屈で仕方がありません。なぜなら、このような考え方は『まず脳ありき』なのです。『まず体ありき』と言い換えてもよいと思います。極端には『まず物質ありき』とも言えます。

 これはどういうことかと言いますと、私たちが生きているこの世界は、誰もが共通に認識している客観的な物質世界です。そして、この物質世界の中に生きている私たちも、当然物質ということになります。つまり「体」です。なぜなら、この物質世界から何らかの影響を受け(五感)、そして、物質世界に向けて何らかの影響を及ぼす(言動・行動)のは、『体』だからです。私たちが生きているということは、このような物質世界との関係性を維持していることに他なりません。だから「まず体ありき」なのです。『心』という非物質的なものはこの物質世界には存在しないのですから、そのような存在しないものをあたかも存在しているように見せかけるもの(物質)があるはずです。それが体の一部である「脳」というわけです。だから、『心』について考えるときには「まず脳ありき」となるのです。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]