例えば、1個の ウラン235 原子(U235)が1個の 中性子(n)を吸収すると、1個の バリウム原子(Ba144)と1個の クリプトン原子(Kr89)と3個の 中性子(n)に分かれます。
U235 + n → Ba144 + Kr89 + 3n
この反応では、1個のウラン原子はバリウム原子とクリプトン原子の2個に分裂しています。原子は陽子と中性子から成る原子核の周りを電子が回って構成されているわけですから、この反応は原子核の分裂にほかなりません。すなわち“核”分裂です。
さらに、この反応では、右辺( Ba144 + Kr89 + 3n )の質量の合計は、左辺( U235 + n )の質量の合計よりも小さくなります。その質量減少分がエネルギーとして放出されるのです。これが核分裂反応によりエネルギーを取り出せる原理です。
U235 + n → Ba144 + Kr89 + 3n + energy