そして、親子関係も上下関係であり、力関係を生じ易いと言えます。子供は無垢な状態で生まれてきます。それはあらゆる可能性のある状態と言えます。ですから、子供が親の予想もしない行動をとることがあるのは当たり前です。なぜなら、いわゆる大人は様々な価値観による色眼鏡をかけて、自らの可能性を極度に狭めている為、子供の突飛な発想をカバーできないからです。しかし、子供は一人で生きて行くことはできません。もし親から見離されれば、それは子供にとっての死活問題です。可能性の塊のような子供ですが、もし親から見放されるかもしれないという恐怖を一度でも経験させられたとしたら、その可能性は一気にしぼんでしまいます。子供自ら可能性を捨てざるを得なくなります。なぜなら、親から捨てられないように、親の機嫌を損ねないように、恐怖の経験を二度としなくても済むように、親の言うことは何でも逆らわずに聞こうとするからです。(そのような子供を、世間では「素直な良い子」と言います。)そこには、親>子供 という力関係が生じています。親のほうは、子供が親の言うことを聞くのは当然であると思っていたりします。

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