そんなふうにして行けば、やがて人々から人間関係における力はなくなっていくことと思います。人間関係における力のなくなった世界では、言葉や態度でプレッシャーを感じることも、また、プレッシャーを与えることもありません。そのとき、先に挙げた、中年男性と子供たちのやり取りはどうなるでしょうか。きっとこのようではないでしょうか。

 路上で遊んでいる子供たちは、中年男性がやってきて向こうを指差しても走って行くことはありません。その代わり、男性は子供たちにこう伝えるのです。

「この道は車の通りが多くて危険だから、あっちの公園で遊んだほうがあなた方も安全だし、車の運転手さんも安心してこの道を通ることができるよ。」

 すると、子供たちは自らの判断で路上から立ち去るでしょう。そして、やがては路上で遊ぼうとすることもなくなるでしょう。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]