心理学では『良心』のことを「超自我」と言います。精神分析学の創始者フロイトは、心をイド(エス)、自我、超自我の三つの層に分けました。そして、「超自我」は親のしつけや社会の要求を自分の中に取り入れ、内在化することによって形成されるとしました。つまり心理学では、『良心』とは、自分以外の人、特に親の態度、意見、判断などを自分が取り入れることにより後天的に出来上がったもので、それは自我の一部であるというのです。しかし、私はこれまでお話ししたような経験をしていたので、このことを大学の心理学の講義で教わった時にとても違和感を感じ、こう思いました。
「良心はそんなものじゃないだろう。」
しかし、じゃあ『良心』とは一体何なのかと考えると、その時はよくわかりませんでした。ただ、少なくとも自我の一部ではないと思っていました。
『良心』については、今はここまでにしておきます。後で再び言及することになるはずですので、ご了承の程、お願い申し上げます。