ただし、私は“嘘”そのものが悪いといっているわけではありません。子供を育て導いて行くべき親が、「言うことを変える」ことが最もいけないと思うのです。子供は親の言うことや行いを自分の中に取り入れ、自分なりに消化して自分自身を形成して行きます。しかし、その元となる親が言うことをころころ変えたのでは、その都度、自分で自分を変えなければなりません。結局、親に振り回されることになるのです。そのうち子供も嫌になり、親への信用を失います。大体、子供にでなくても、言うことをころころ変えるような人間は信用されなくなるのは当たり前です。

 子供に嘘をつくべきではないというのは、そのことが嘘であることを子供はいつか知ってしまうからです。今まで信じてきたことを嘘だと知った時に、子供は少なからずショックを受け動揺します。その時、きちんとしたフォローができなければ、子供は親への信用を失って行くでしょう。なぜなら、その時、子供は、自分は親に信用されていないことを知るからです。そして、親の意に反した行動をとるようになってしまうかも知れません。現代の子供の問題に全く関係ないと言えるでしょうか。

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