ちなみに、前期試験の時に、他の連中は間違えたのに私が間違えなかったところは、フロイトが人の心を「エス(イド)」「自我(エゴ)」「超自我(スーパーエゴ)」という三層からなるとしたところでした。講義中、ほとんど眠っていたのですが、私にはこの心の階層構造がとても興味を引いたのでした。
しかし、大学の心理学の講義の中から「透視」や「予知」のヒントが得られたわけではありません。残念ながら、医学部の心理学の講義ですから、そんなに興味深い話があったわけではありません。先にお話ししましたように、試験で100点を取ろうと心理学を一生懸命勉強したことによって、私の「心」に対する興味が深まったことが“きっかけ”になったのです。
それまでに読んだ「透視」や「予知」のことが書かれた文章の中に、「無意識」とか「潜在意識」という言葉が出てきていたのですが、この言葉が一体何を意味するのか、当時はよくわかりませんでした。それで、どういうことなのか知りたいとずっと思っていたのですが、それが心に関係した事項だとは知りませんでしたし、心というものに関心がなかったので、ずっと疑問に思ったままだったのです。しかし、心理学を勉強することによって、それは心理学用語であり、人の心の構造に関することだとわかったのです。(心の階層構造に興味を引かれたのも、結局、このようなことがあったからなのです。(^_^))