さて、ユングの説く『自己』を受け入れると、自我は心の中心ではないのですから、『私』自体をどう捉えたらよいのかわからなくなってしまいます。『私』って一体何なのでしょう?

 この問いは、第二章の初めに挙げた、『自分』とは一体どういう存在なのか?という問いの再提示でもあります。そして、この問いは第二章からここまで続けているこの旅の発端でもあります。同じ問いを再提示することになったということはとても意味があります。私たちは迷宮の中をぐるぐる回ってスタートラインに戻ってきたように思われるかもしれませんが、第二章の初めの時とは違うはずです。私たちは『いのち』に関わる様々な事柄に触れてきました。それはきっと、らせん階段を一回りするかのように、私たちを一段階高いところへと誘導してくれているはずです。一段階高いところからは、より広く世界が見えることでしょう。

 さあ、さらなる旅を続けましょう。

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