第六章でお話ししましたように、通常、私たちが「私は私」と思っている意識は『自我(ego)』です。それに対して、『自己(self)』とは、心の全体性であり、また同時にその中心です。そして、『自己』は自我と一致するものでなく、大きい円が小さい円を含むように、自我を包含しているのです。

 『自己』の概念からは、私たちの心は、自我を超えた大きな広がりを持つことがお分かりいただけると思います。ただ、私たちの意識は自我に限定されている為、自我の外側にある心の領域を意識化することができません。その自我の外側にある心の領域が『無意識(潜在意識)』です。ここまでは比較的理解し易いと思います。しかし、心の中心は自我ではなく、その『無意識(潜在意識)』の方にあるのです。このことは、心を『自分』とするならば、『自分』の本質は自我ではないということを示しています。つまり、『私は私』と思っている意識自体が、すでに『私』の本質ではないということです。(何だかわかったような、わかってないような‥、頭が混乱してきそうですね。(◎o◎)

 ここまでお話ししてきて、このような『自己』のあり方について何か気づかれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。『自己』って何かに似ている‥と。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]