改札を抜け、私は青函連絡船乗り場へ向かいました。(今はなき青函連絡船。懐かしいなぁ。(^_^)乗船手続きを済ませ、待合場所で待つことになりました。そこは広いスペースで、人が順番に並ぶように床にラインが引いてありました。私はそこに並び、荷物を降ろしてしゃがみ込みました。前を見ると、二人の子供が、誰も並んでいないところで、ラインを短距離走のコースに見立てて、競争するように行ったり来たり走っていました。その時、ふと左の腿に暖かさを感じました。誰かが手を置いたような感じでした。私は知り合いにばったり出くわしたのかと思い、振り向きましたが、誰もいませんでした。「えっ‥。」もちろん、腿の上には何もありませんでした。ちょっと背筋がゾクッとしました。

 青函連絡船に乗り込んで、まず座席を確保し、歯を磨いて、顔を洗いました。そして、座席に戻って、函館に到着するまで眠っていました。函館からは、また急行を乗り継いで行きました。途中、どこかの駅で列車を待っている時に、ひと月前に入れたばかりの挿し歯が外れるというアクシデントはありましたが、座席には座って行けました。そして、終点にたどり着いた時には、もうその日の夕方になっていました。「大変な旅だったけど、本当によくがんばったな。」と、自分で自分を褒め、私は感動に浸っていました。その日はまだ暑い夏の日で、私は「良かった。北海道の夏はまだ終わってなかった。」と、さらに感動に浸っていました。(しかし、その翌日から涼しくなってしまい、その年の短い夏は、私の旅行の完結と共に、終わってしまったのでした‥。(T_T)

 その日の夜のニュースで、私が乗った急行八甲田の乗車率180%だったことを伝えていました。そのニュースを見て、私は、「お盆の時期には、二度と列車になんか乗るもんか!」と心に決めたのでした。

 はい。以上が、私が実際に体験したストーリーです。

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