そのうち、時折、目が覚めて見る車窓の景色が明るくなってきました。それと共に、私の意識も徐々にはっきりしてきました。朝の目覚めでした。確か、青森駅までは、あと一時間余りにまで近づいていたと思います。それからは、ずっと起きていました。体はへとへとになっていましたが、「あと一時間だ。がんばろう。」と、自分で自分を奮い立たせ、前方の窓から見える景色をずーっと見ていました。
そして、とうとう青森駅が見えてきました。列車がゆっくりとホームに到着しました。「やった。とうとうずっと立ったままで通したぞ。」私は、一人、言い知れぬ感動に浸っていました。重いバッグの肩ひもを肩に掛け、青森駅のホームを歩きながらも、私は「やったぞ。」と、一人、感動に浸っていました。