それからまたどのくらい時間が経ったでしょうか。確か、仙台駅に着くまではずっと起きていました。しかし、仙台駅はだいたい中間地点なので、上野駅を出て、それまでに5時間以上は経っていたはずです。私は前日からの疲れと眠気で、立っているのがとても辛くなっていました。同じデッキにいる人の中には、持っていた雑誌などをお尻の下に敷いて、座り込んで眠ってしまう人もいました。私もそうしたかったのですが、私の荷物の中には、雑誌やただの紙など、床に敷いて汚しても良い物はありませんでした。他の人の中には、何も敷かず、そのまま座り込んでいた人もいました。私も、普段着で汚れても良いズボンをはいていれば、そうしたでしょう。しかし、その時、私がはいていたズボンは、その旅行の直前に買ったばかりで、しかも、色が白だったのです。この時点で、私は座ることを考えるのを止めました。そして、最後まで立ったままで行こうと決心したのでした。
その後、何人かが降りたので、混んでいたデッキにも少し余裕ができました。私は、トイレの入り口の横の壁から、運転室のすぐ後ろへ移動していました。確かそこには、鉄製のパイプが横向きに取り付けられており、私はそのパイプをつかんで立っていたのです。そして、立ったままうつらうつら眠っていました。(立ったまま眠って倒れなかったのは、パイプを握っていたからです。(^_^;))一体何時間そんな状態でいたのでしょう。その間、私は何度もメガネを前のガラスにぶつけ、「やばい。やばい。」と思いながらも、また、すーっと眠ってしまうということを何度も繰り返しました。