ここでもう一度、この章の初めに挙げた、『魂』に関する国語辞典からの引用文を再掲示しておきます。
「人間、さらにはひろく動物・植物などに宿り、心のはたらきをつかさどり、生命を与えている原理そのものと考えられているもの。身体を離れて存在し、また、身体が滅びた後も存在すると考えられることも多い。」
この引用文の中の“身体を離れて存在し、また、身体が滅びた後も存在する”というところが「霊(広義)」と同様に思われますので、「魂」のそのような側面のみを捉えていると「霊(広義)」と同様な意味として解釈してしまうのではないかと思います。また、「霊」という言葉に対しては、多くの人がおどろおどろしいものとか怖いものという先入観が働く為、「霊」という言葉の使用は敬遠されがちです。その代わりとして、日常的に使われることもある「魂」を使うことが多いのかも知れません。このようなことを文章を書く人も読む人もわかっていれば問題はありませんが、知らないと混乱を生じてしまうかもしれませんので注意が必要です。