『魂』について考察する為には、注意しなければならないことがあります。それは、『魂』という言葉は、とても曖昧に使われ、曖昧に解釈されているということです。どのようなことか、少しお話ししておきましょう。

 まず、日常的に、心や精神と同様な意味として使われています。例えば、「仕事に魂を込める」というような言い方をすることがあります。これは、「心を込めて仕事に打ち込む」という意味ですね。また、「大和魂」という言葉もあります。これは「日本人の心(日本精神)」のことです。これらはあくまでも慣習的な使われ方です。心霊関係など専門的な文章に出てくる「魂」という言葉をこのような意味で解釈する人はいないと思いますが、念の為、挙げておきます。もちろん、私がこれからお話しするのはこのような意味の『魂』ではありません。

 それから、「魂」を「人魂(火の玉)」のことだと捉えている方がいらっしゃるのではないかと思います。「人魂(ひとだま)」という言葉の中に「魂」という字が入っていますから、このような解釈に陥り易いのではないかと思います。しかし、「人魂(火の玉)」はあくまでも現象ですので、「魂」そのものではないと理解した方が、混乱せずに済むと思います。もちろん、私がこれからお話しする『魂』はこのような意味でもありません。

 おそらく、「霊(広義)」と同様な意味で捉えている方が最も多いのではないかと思います。「霊魂」という言葉もありますので、「霊」も「魂」も同じようなものだろうと考えてしまうのでしょうか。心霊関係など専門的な文章でも、このような意味で使われていることがありますから、なおさらですね。しかし、私がこれからお話しする『魂』は、やはりこのような意味ではありません。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]