そのような、人間に宿っている『魂』は、【心の働きを司っている】というのです。体外離脱体験者の報告から、人間の意識は肉体次元のものではないことがわかりました。神智学でも、アストラル体が感情や欲望を司り、メンタル体が思考や想像力を司るとされていますから、おそらく、心というのは霊的な次元の働きなのだと思います。

 とすると、よく「心と体」とか「精神と肉体」などと言って対比され、相対するもののように思われがちですが、「肉体」と「見えない体=霊(広義)」とを合わせた一つの『からだ(BODY)』を考えると、心はその働きの一部分として組み込まれてしまいます。すると、実は、心と体は別々のものではなく、また、相対するものでもないことがわかりますね。

 しかし、このような霊(広義)の働きとしての心とは、概ね「私は私」と自覚している範囲の心のことですから、自我とその周辺の個人的無意識に該当するものと思います。『魂』は霊(広義)とも別な次元に存在しているのですから、ここでの“心”というのは、顕在意識も潜在意識(無意識)も合わせた、より広い“心の全体性”のこととして捉えた方が良いと思います。

 おやっ、この言葉、以前にどこかで出てきましたね。そうです。ユングが唱えた『自己(self)』です。おそらく、ユングが唱えた『自己(self)』の概念は、『魂』の働きに言及したものであろうと私は思っています。

[戻る][進む]

[TOP][学びの道][気づきの小箱][いのち][Eメール]