ここで、『人格』とはどのようなことなのかについてお話ししておきたいと思います。人格に似た言葉に「性格」があります。どちらも心理学用語で、十人十色というような、人にはそれぞれ個性的特徴があることを表す言葉です。区別しないで使われることもあるようですが、厳密には、「性格」というのは、行動の独自性のような各個人の“外面的な”個性を強調した言葉です。それに対して、『人格』は、性格よりも広い意味で、“全人的な”個性的特徴を表す言葉として使われます。つまり簡単な例を挙げれば、個人の好き嫌いはその人の性格の一要素ですが、人格はそのような好き嫌いを表現するその人の内面をも含めて言及している言葉なのです。ですから、性格が似ていても人格的にはまったく異なった人間だということがあり得ます。例えば、先の例で言えば、好き嫌いが同じでも、なぜそれらが好きなのか嫌いなのかという理由や原因は人それぞれ違うということです。(こんなことあらためて考えなくても当たり前のことですね‥。(^_^;))
以上のようなことから、『人格』というのは、個人という一人の人間そのものと言うことができます。また、そのような意味で、人格は「人間性」と言い換えることも出来ると思います。(人間器論では、“器”と言います‥。(^_^;))