この報告からわかることは、人間の脳は、意識が離れていても入力さえあれば、脳自体、単独で機能することができるのだということです。このことは、私たちの日常の行動からも想像することができると思います。私たちの日常の行動の中で意識しながら行っているものは、新しい慣れていない行動だけと言っても過言ではありません。日常の慣れた行動は、すでにパターン化され、特に意識せずに行っています。例えば、朝起きて、顔を洗って、歯を磨いて、着替えて、食事をして、会社へ行って、いつもと変わらぬ顔ぶれに「おはよう」と挨拶し、パソコンに向かって‥。日常のほとんどの行動は、さしたる苦労もせず自動的にできてしまいます。これは条件反射なのです。ある特定の入力に対して同様の行動を起こすような回路が、脳内に出来上がっているということです。そして、そのような行動は、たとえ意識が離れてしまっても脳単独で起こすことができるということなのです。ちょうど、「心ここにあらず」という状態を想像してみるとわかりやすいかもしれません。何かとても気にかかることがあって、ずっとそのことばかり考えていても、食事をしたり、会話の途中でうまく相槌を打ったり、極端な話、車の運転もできないわけではありません。(ひょっとして、「心ここにあらず」という状態は、この言葉の通り、意識が肉体から離れている状態なのかもしれませんね‥。(@_@;)

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