それから、波動には伝播の仕方の違いによる横波縦波があります。

 横波というのは、媒質が波の進行方向に垂直に振動する波動のことで、見た目にも理解し易い、先の図のような波動のことです。実際には、弦の振動や電磁波などが横波です。

 それに対して、縦波というのはちょっとわかり難いかもしれませんが、媒質が波の進行方向と同一方向に振動する波動のことで、音波がそうです。媒質が波の進行方向と同一方向に振動すると、振動に合わせて媒質の密度が変化することになりますから、縦波は、媒質の密度の周期的な変化が伝わって行くことになり、疎密波とも呼ばれます。

 ちなみに、私たちにとって身近な地震は、最初に細かい揺れ(初期微動)が起き、その後に大きな激しい揺れ(主要動)が起こることは皆さんご存知と思います。実は、このような地震の時の最初の細かい揺れはP波と呼ばれ、縦波なのです。そして、その後の大きな揺れはS波と呼ばれ、横波です。同じ震源から同時に発生するのですが、縦波の方が伝播速度が速い為、最初にP波が伝わるのです。

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