それから、皆さん、音叉をご存知だと思います。U字型をしていて、叩くとポーンと音が鳴るものです。あの音叉を二つ並べて、一方を叩いて音を鳴らすと、もう一方はどうなるかご存知でしょうか。実は、もう一方の音叉には全く何もしなくても振動し始めるのです。このような現象を『共鳴(共振)』と言います。これは、一方の音叉から生じた音波がもう一方の音叉に到達し、空気の振動エネルギーが伝わることにより、振動し始めたのです。ただし、共鳴が起こる為には条件があります。それは、二つの音叉の固有周波数が同じであることです。音叉から生じる音波の周波数は、音叉の材質、形、大きさなどで決まり、一定なのです。そのような周波数のことを固有周波数と言います。固有周波数が全く同じならば、二つの音叉は同じように振動します。しかし、固有周波数が若干異なると、もう一方の音叉はわずかに振動するのみとなり、さらに固有周波数の差が広がると、もう一方の音叉は振動しません。

 また、固有周波数の同じ音叉を同時に叩くと、発生する音波が同じ周波数なので、同じポーンという音がきれいに鳴り響きます。しかし、もし固有周波数の異なる音叉を同時に叩いたらどうなるでしょうか。周波数の異なる音波が発生しますから、きれいに鳴り響くことは無く、ホワン、ホワン、ホワンというような唸りを生じます。例えば、固有周波数が400Hzの音叉と、410Hzの音叉を同時に鳴らすと、各々から400Hzと410Hzの音波が発生します。そしてそこに、お互いの周波数の差である10Hzの音波が発生するのです。これが唸りの正体です。そして、このような現象を『干渉』と言います。干渉は、周波数の異なる音波が出会った時に、両者が重なって互いに強め合ったり弱め合ったりすることにより起こります。このような干渉による唸りは、音楽の世界ではノイズとして捉えられていると思います。つまり、きちんと調律されていない為に、同じ楽器の他の人たちとうまく音が合っていないということです。

 これらのことから、『波動は、周波数が同じ場合は共鳴し、周波数が異なる場合は干渉する』、ということが言えます。

 また、『波動は、周波数が同じならエネルギーが伝わるが、周波数が異なるにつれてエネルギーは伝わらなくなる』ということが言えます。

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