2002/11/5 uploaded

 現代医学は、自分を免疫で説明しようとします。この場合『自己』という言葉を使います。

 例えば、インフルエンザウイルスが体内に侵入すれば、リンパ球が抗体を産生してインフルエンザウイルスを体内から駆除しようとします。このように、体内に自分の体ではないもの(「異物」または「非自己」と言います。)が侵入した時に免疫反応が起こります。しかし、自分自身の体の構成物に対しては、通常このような免疫反応は起こりません。(実際は起こるのですが、「自己免疫」と言って、異常なものとして扱っています。)このことを「免疫寛容」と言います。

 免疫寛容が成り立つのは、自分(自己)と自分以外(非自己)とを免疫系が識別している為です。このような免疫系の機能に「自分」の定義を委ねようと言うのです。つまり、免疫寛容が成立している「自己」の部分を『自分』であるとするわけです。

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