戦争の相手国が、このような、自国を壊滅させかねないとてつもない兵器を開発していることを全く感知できない、当時の日本政府や軍上層部は無能だったかもしれません。事前に察知できていれば、原子爆弾を落とされる前に降伏できたかもしれません。でも、ソ連に和平の仲介を依頼しているような、もはや死に体の相手に対して、それを知りつつわざと無視し、何の前触れもなく、かつ、何のためらいもなく、このようなとてつもない破壊力を持つ残虐な兵器を使うというのは、素直に考えれば、とても恐ろしいことです。

　皆さんご存知でしょうか。アメリカ政府に原子爆弾の製造を進言したのは、私も尊敬する大科学者のアインシュタイン博士です。理由は、ナチスドイツが原子力研究に熱心だった為、ナチスドイツに先に原子爆弾を持たせてはならないということだったようですが、当のナチスドイツは、アメリカの原子爆弾完成の２ヶ月以上前に降伏していました。ナチスドイツの降伏により、原子爆弾は当初の開発目的を失ったはずです。しかし、原子爆弾開発は継続され、結局、日本に落とされました。アインシュタイン博士のような偉大な科学者でも、未来予測を誤るのです。