さて、先の例に戻りますが、紙に染み込んだインクや絨毯に染み込んだ牛乳は、その後どうなるでしょうか?

 それぞれ経過は様々でしょうが、最終的にはごみに出されて燃やされるでしょう。そうすると、ある成分は大気中に拡散し、残った成分はごみ処理場の土中に埋め立てられます。更なるエントロピーの増大です。

 ここで、皆さん考えてみてください。私たちの手に渡るときには、すでに、インクはインクとして、牛乳は牛乳として完成されていますが、その前はどうだったのでしょうか?

 インクは、工場で原料から何某かの化学反応により染料を抽出され、水に溶かされてできるでしょう。また、牛乳は、牛さんの体内で作られ、元は、ただの炭素・水素・酸素・窒素・カルシウム・リンなどの元素でした。

 これらインクや牛乳が作られる過程は、どう考えてもエントロピーは減少しています。

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