そのうち、曖昧だった記憶がはっきりしてきたり、記憶がどんどんさかのぼって行って、幼少期の頃にまでたどり着くかも知れません。そうすると、自分が「受け皿」を作り出してしまったきっかけを思い出すかも知れません。相手はいわゆる大人、多くは親だと思いますが、この時、注意が必要です。子供の自分は親に逆らうことができないので、親から何か強制されたことを思い出した時に、被害者意識を持ってしまいがちです。でも、被害者意識は自分を閉じ込める殻なのです。
自ら「受け皿」を作り出すような体験は、多分、子供にとってはとても辛い体験だったはずです。とても辛い体験だったので、「受け皿」を作って辛さから逃げたのです。「受け皿」を捨てるということは、実は、その幼少期に体験した辛さを再体験することでもあるのです。子供の頃は辛すぎて逃げざるを得なかった為に、中途半端になっていた感情を再体験し、辛さを味わい尽くすことにより、「受け皿」の必要をなくし、「受け皿」を維持することに費やされていた心のエネルギーを解放することなのです。(それは、コンピュータの常駐ソフトを削除し、リソースを解放するのに似ています。)
でも、被害者意識は、幼少期に体験したその辛さを再体験することからまた逃げる為に、再び自ら作り出す殻なのです。だから、被害者意識を持っているうちは、何も進展しないのです。