私は小学校に入学してからも、低学年の頃はあまり変わらなかったと思います。ところが、小学3年生の時に、ことは起こりました。

 あまり詳しいことは覚えていないのですが、ある日、クラスで誰かがいけないことをして、それに対して、私は「おまえ、ばちが当たるぞ。」と言ったのです。すると、相手はにやっとして、「ばちが当たるって、何だよ。」と言い返してきたのです。私は「お天道様が見ているんだから、ばちが当たるぞ。」と言いました。するとそいつは「お天道様って何だよ。」とさらに言い返してきました。私は「神様だよ。」と答えました。この時点で、私は周囲の空気がおかしいことに気が付きました。誰も私を擁護しようとしないのです。今までは、私と同じことを言う者がいたはずなのに‥。すると、別な奴が「おまえ、神様がいると思ってるんだ。」と、私に言い放ったのです。他の連中も「神様なんかいないよ。」「ばちが当たるだって。」などと言いながら、明らかに私を嘲笑していました。私としては当たり前のことを言ってるつもりでしたから、とても困惑しました。

 そして、「ひょっとして、神様っていないのかな。」という考えが頭をよぎりました。

 でもそのことは、私には受け入れ難いことでした。なぜなら、私は『お天道様が見ていて、悪いことをするとばちが当たる』ということは本当だと思い、そのことを常に考え、自分の行動を律していたからです。

 私はその場にいた何人かの友達に「神様はいるよな。」「悪いことすれば、ばちが当たるよな。」と声をかけましたが、誰もまともに返事はしませんでした。短い休み時間でのことなので、その場はそれで終わりましたが、私の心の中は全く納まりが付きませんでした。

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