次の日から、ありんこやくもが犠牲者になりました。最初は恐る恐るありんこを一匹踏んづけてみました。一日が過ぎ、二日が過ぎ、一週間が経ちました。でもばちは当たりませんでした。またありんこを踏んづけてみました。やはりばちは当たりませんでした。次はくもを踏んづけてみました。やっぱりばちは当たりませんでした。そんなことを繰り返して半年もたった頃、私は思いました。
「何だ、悪いことしてもばちは当たらないじゃないか。やっぱり神様はいないんだ。」
そして、私の中から神様はいなくなりました。
それからは、虫のような小動物を殺すことに何のためらいも無くなりました(ただ一つあることを除いて)。そして、虫を踏まないように注意して下を向いて歩くことから解放されました。また、いけないことでも、誰でもやっていそうな些細なことは平気になりました。