『小学3年生』の次の号が売り出されるのを心待ちにして、売り出されたらすぐ買って、前編と後編を通して読みました。そうしたら、今度は読む姿勢が違ったからでしょうか、最後は涙が出てくる程、とても感動しました。それで母親に話をして単行本を買ってもらったのです。

 単行本を読んで、さらに感動しましたが、読み終わった時、私はこう思いました。
「ちくしょう。ぼくがかたきをとってやる。」
 これはどういうことかと言いますと、野口英世が、苦しんでいるアフリカの人々の為に制圧しようとしていた黄熱病に、自ら罹って亡くなってしまったことがとても悔しくて、自分が仇を取ってやろうと思ったわけです。これは、地球を守る為に退治しようとしていた怪獣ゼットンに、逆にウルトラマンがやられてしまって、とても悔しく思ったのと同じような反応です。(何のことだかわかりますか‥?(o|o)シュワッチ!)だからこの時は、野口英世の伝記を読んで感動して、医師になろうと決意したわけではありません。しかし、野口英世の名は私の胸に深く刻まれ、将来なりたい職業の中に医師が加わったことには違いありませんでした。

 ただ、当時の私には将来なりたい職業がいっぱいありました。例えば、パイロットとか科学者とか映画監督など夢みたいなものから、ラジオに興味があったので電気・電子関係の技術者という比較的現実的なものまでありました。医師はあくまでもその中の一つであり、どちらかというと夢に近いもので、それほどなりたいとは思っていませんでした。

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