ちょっと余談になりますが、266文字という短い文章中にこの世界のエッセンスがすべて説かれていると言われている『般若心経』の最後には、次のような言葉が出てきます。

「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」

 この部分は次のように読みます。

「ギャーテー ギャーテー ハーラーギャーテー ハラソウギャーテー ボージーソワカ」

 そして、この部分は次のような意味になります。

「往き、往きて、彼岸に往き、完全に彼岸に到達した者こそ、悟りそのものである。めでたし。」

 実は、この部分は重要なマントラだとされており、般若心経では、最終的な悟りの境地(彼岸)に至るマントラであると締め括られています。しかし、上記の文をそのまま読み上げてもダメなのです。まして、日本語の訳を理解しても何もなりません。(般若心経自体は素晴らしいことが書かれてあるので、日本語訳で理解することはとても良いと思います。(^_^)

 般若心経は元々、インドの古い言語であるサンスクリット語で書かれたものであり、現在、日本でよく読まれているものは、西遊記の三蔵法師のモデルとして有名な唐の僧、玄奘三蔵が訳したものなのです。原文では、この部分は次のような発音だそうです。

「ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボウディスヴァーハー」

 これが般若心経における本当のマントラです。このように、マントラは原文のまま発音することが大切なのです。なぜなら、声に出したマントラの振動波が私たちの脳、体、あるいは、自然界に何らかの影響を与えるとされているからです。言葉が変わってしまえば振動波が違うので、影響力が変わってしまうからです。

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