しかし、上野駅に着いて、急行八甲田のホームへ行った時に、異様な光景を目にしました。ホームの壁側にたくさんの人が3列くらいに重なってびっちり座っているのです。「な、何だこの人たちは‥。」私の中に緊張が走りました。そこへ急行八甲田がホームに入って来ました。すると、今まで座っていた人たちが一斉に立ち上がりました。「ま、まさか‥。」と思っていると、駅員さんが来て、私もその人たちの中に並ばされました。そうなのです。全員これから急行八甲田に乗り込むのです。私はわけもわからず、人々の列に加わりました。そこへまた駅員さんが来て、列車1両分ごとに人の列を切って行きました。私は、駅員さんが何をしているのか良くわからないまま、ちょうど列の最後尾にされてしまいました。(わかっていれば、先頭になることもできたはず‥。(-_-;))そのまま乗車が始まり、私が乗り込んだ時には、すでに客席側は通路にも人が一杯で、デッキに立つしかありませんでした。私は寝不足の上疲れていましたから、このまま乗って行くのはしんどいと思い、いったん列車を降りました。しかし、翌日になれば、さらに混むかもしれないと思い、結局、先頭車両の一番前のデッキに乗り込むことにしました。乗り込む時に、座席側をチラッと見てみると、通路にいる人はみんな床に新聞紙などを敷いて、靴を脱いで座っていました。こちら側に向いた座席にピンク色の服を着た一人の女の子が座っていました。その女の子のくりっとした大きな目を見た時、私はどこかで見たことがあるような気がするなと思いました。しかし、そんなことを気にかけている余裕はありませんでした。デッキもすでにかなり混んでいて、私はトイレの入り口の横の壁にもたれかかるように立つことになりました。