以上、三つの可能性を考えてみました。(1)の可能性は比較的合理的な説明だと思われるかもしれませんが、(2)と(3)は全く検証されていない仮説です。でもあえて(2)と(3)の可能性に言及したのには訳があります。それは、先に挙げた幽霊に関するポイントの 4. と 5. に当てはまらない報告があるからです。例えば、遠方にいるはずの家族が突然帰ってきたと思ったら、そのすぐ後に、その人が亡くなったという連絡が入ったとか、大人には見えないけれども、子供には亡くなった兄弟が見えるなど、日中(つまり明るいところで)、亡くなった人の姿をはっきり見たという話は結構あるようです。
また、今挙げた子供と大人の例のように、幽霊は見える人と見えない人がいます。(実は、ここが幽霊が非科学的だと言われる一つの理由なのです。現代科学では“再現性”を重視するのですが、これを“誰もが見えないとダメ”というふうに勘違いしているのです‥。(-_-;))この理由は、(1)の可能性では、視覚感受性の個人差ということで説明されます。しかし、私はそのような個人差だけではないのではないかとも思っています。そして、そのことを説明する為にも、(2)と(3)の可能性に言及したのです。つまり、(3)の可能性の最後で言及したギャップを埋める条件が整うかどうかで、幽霊が見えたり見えなかったりするのではないかと思うのです。例えば、幽霊の方で、ある特定の人に対して、視覚情報を送るということがあるのではないでしょうか。幽霊の側から直接脳内に働きかけるとか、あるいは、見ている人の幽体に働きかけることが、ギャップを埋めることに繋がり、幽霊が見えるようになるという可能性があるのではないかと思っています。