体外離脱者の報告や心霊関係の文献によると、人の死後、体験する通常のプロセスでは、幽体のまま存在する期間には個人差があり、わずか数時間の人もいれば、年余に渡る人もいるとのことです。ただ、平均的には50日位と言われており、お葬式のあとの四十九日の法要というのは、このことに関連しているのだそうです。この期間は一体どのような意味があるのかというと、“自分は死んだのだ”ということをはっきりと自覚するまでの期間なのだそうです。生きている時から心霊関係の知識がある人は、何が起こっているのかを理解できる為、スムーズに霊界へ移行できるようですが、そのような知識のない人は、自分の置かれている状況を理解するのに、ある程度の時間がかかってしまうのだそうです。なぜなら、霊界へ移行する為には、自らの意志で行かなければならないからだそうです。だから自分が死んだことをしっかり自覚する必要があるようなのです。

 体外離脱体験者の報告から、死んで幽体の存在になっても存在しているのは、何十年も住み慣れたこの地上世界であり、まして、今までと同じように見たり聞いたりできるのですから、肉体を脱け出た直後は、自分が死んだことを自覚できなくても無理はありません。死期を察することのできるような病死ならまだしも、予期せぬ突然死であったり、事故死であった場合には、自分が死んでしまったことなど露ほども思い浮かばなくても不思議ではないでしょう。特に現代日本人は、霊や死後の世界を受け入れない人が多いようですから、そのような人は、たとえ徐々に衰弱の経過をとった後の死であっても、意識があるということから、自分が死んだことを受け入れないというのは想像に難くありません。

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