高校生になって、幽霊に対して肯定的になってから、再び『魂』にも肯定的になりました。しかし、その頃は、魂と霊との違いがよくわかりませんでした。魂と霊とは違うようだということがなんとなくわかってきたのは、大学に入って、いわゆる見えない世界のことをいろいろ知ってからでした。

 この章の「前編」で「人間タマネギ論」のことをお話ししましたが、当時の私は、『魂』を「人間タマネギ論」に組み込んでいました。人間には、幾重にも重なった体の最も奥の中心に、自分自身の核とも言うべき「魂」が存在しているというように捉えていました。そのように図示されている本もあり、そこに描かれた魂は人型ではなく円形をしていましたから、「なるほど、人が死んで、この魂が肉体を離れて行く時に、誰かに目撃されるのが人魂なんだな。」と思っていました。そして、そのような「魂」が何度も生まれ変わり、輪廻転生を繰り返しているのだと理解しました。

 このような考え方は、いわゆる精神世界の分野では珍しいものではなく、特に問題はないのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんね。

 では、なぜ『魂』は、わざわざこの地上世界で、肉体を伴った人間としての生を送るのでしょうか?

 これは、私たち人間がこの世で生きる目的とは何か?という問いと同じです。

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