それは、無意識ではカリスマを求めているということではないでしょうか。より本質的な言い方をすれば、他人に頼らなければならない程、自分に自信を持てないということではないでしょうか。

 自分に自信がない人というのは、自分から何かを進んですることができません。なぜなら、自分のすることが正しいかどうかわからず、自分で責任を持てないからです。だから、誰でも良いから他人に自分の行うべき正しい道を示してもらいたいのです。「あなたはこうするべきだ」とズバッと言ってほしいのです。それに対してカリスマは、自信過剰で驕っている人ほど、断定的に発言しますから、自分に自信のない人にはピタッと当てはまるのです。本人にとっては、まるで救世主かもしれません。

 また、自分に自信のない人というのは、自分自身を未熟で足りない人間だと思っていて、ちょうど自分の中にポッカリと穴が空いているように感じているのです。その穴を埋めたいのだけれど、自分では埋め方がわからず、また、未熟な自分に埋められるとは最初から思っていないのでわかろうともしない。だから、誰か埋め方を知っている人に自分の穴を埋めてもらおうとしているのです。でも本当は、自らが勝手に作り出した穴なので、自分で埋めなければ本当に埋まることはないのです。だから、いつまでも自分自身に“不全感”を感じて、ずっとカリスマを信奉していたり、あっちのセミナー、こっちの講演会と、まるでカリスマショッピングでもしているかのように行動したりするのです。

 でも、それほどまでに求め続けたカリスマも、その内実は、期待したほど大きな人物ではないかも知れません。ましてやそのカリスマが、自分の代わりに自分の穴を埋めてくれることなど出来はしないのです。

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