その代わりロボットには、学習機能が組み込まれています。自らの行動を決定するプログラムを、行動した結果に応じて修正したり、得られた様々な情報によって補完したりして、失敗を繰り返しながらも学んでいくようにプログラミングされています。
遠隔操作する人は、この機能を有効に活用します。ロボットにある特定の行動を起こさせようとする場合には、ロボットの行動そのものや意思をコントロールするのではなく、ロボットが得ることになる情報を操作し、ロボットがその行動を起こすように誘導するのです。その為には、他のロボットを遠隔操作している人と共同歩調を取ったりしながら、ロボットがある特定の情報を得る場を用意したりします。時には、ロボットの行動を制御しているコンピュータに、直接、情報を入れることもあります。これは、遠隔操作する人にとってはかなり有効な方法なのですが、ロボットにとっては特別な機能なので、いつでもできるわけではなく、ロボット側の条件が揃っていなければ行えないようになっています。
このように、遠隔操作と言っても、ロボットそのものを操作しているのではなく、どちらかと言うと、ロボット周囲の環境を操作することにより、ロボットを誘導しているのです。