層構造と言えば、すでに見てきましたように、私たちの心自体も自我と無意識(潜在意識)という層構造を成していると捉えることができます。またさらに、自我も知・情・意という三つの精神機能から成っています。実は、同様に、私たちの肉体も幾つかの層構造を成すという捉え方ができるのです。

 それは、人体が幾つもの「系」から成っているということによります。『心臓に学ぶ体の話』の「第一章:体には秩序がある。」に書きましたように、「系」とは、解剖学的に連続していたり、機能的に関連性のある、幾つかの臓器の集合体です。循環系・消化器系・呼吸器系・神経系・内分泌系・血液系・泌尿器系・生殖器系・筋骨格系などがあり、各々が特徴的な機能を為しています。私たちの体は一つですが、その一つの体自体も、各々特異的な機能を為す複数の臓器系の集合体なのです。

 このように見てくると、人間は、心と体とを分けて考える以前に、複数の機能の集合体であると捉えることもできそうです。このような捉え方に関しては、今回はこれ以上追及いたしませんが、後に、また言及することになるかもしれませんので、頭の片隅に残して置いていただければ幸いです。

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